ここでは労働契約の禁止事項についてお伝えします。
●賠償予定の禁止
労働契約の不履行についてあらかじめ罰金などの違約金や損害賠償額を予定する契約は禁止されています。
現実に起こった損害に対して、損害賠償請求をする事はできます。
●前借金相殺の禁止
労働する事を条件とした、前借金、前貸の債権と賃金の相殺は禁止されています。
労働を条件としない貸付で明らかに身分的拘束の伴わないものは前貸しの債権には当たりません。
また、労働者が自己の意思で相殺することは可能です。
●強制貯蓄の禁止
労働契約に附随して貯蓄の契約をさせ、又は貯蓄金を管理する契約は禁止されています。
ただし、任意の貯蓄は禁止されていませんが法定の措置をとらなければななりません。
【法定の措置】
労使協定を締結し、所轄の労働基準監督署長に届け出ること
貯蓄管理規定を定め、これを労働者に周知させるため作業場に備え付ける等の措置をとること
労働者が貯蓄金の返還を請求したときには、遅滞なく返還すること
任意貯蓄の場合は貯蓄金管理規定に以下の事項を定めること
預金者の範囲
預金者1人当たりの預金額の限度
預金の利率及び利子の計算方法
預金の受け入れおよび払い戻しの手続
預金の保全の方法
4の事項及びそれらの具体的取扱についてを、貯蓄金管理規定に定めること
5の場合は毎年、3月31日以前に1年間における預金の管理状況を、4月30日までに、所轄の労働基準監督署長に報告すること
6の場合は年5厘以上の利子をつけること
通帳保管の場合は貯蓄金管理規定に以下の事項を定めること
預金先の金融機関名
預金の種類 通帳の保管方法及
預金の出入れの取次の方法
【貯蓄金管理中止命令】
労働者が貯蓄金の返還を請求したにもかかわらず、使用者が変換しない場合に
当該貯蓄金の管理を継続する事が労働者の利益を著しく害すると認められるとき
所轄労働基準監督署長は使用者に対して、必要な限度(労働者の一部か全員か)の範囲で
当該貯蓄金の管理を中止すべきことを命ずることができます。
この記事では労働契約の禁止事項についてご紹介しました。
次回に続きます!